機能性表示食品は健康へのポジティブな効果を期待できる点で優れていますが、何を選んだら良いかで迷う人も多いでしょう。お茶は機能性表示食品としてよくおすすめされています。どうしてお茶がおすすめされているのでしょうか。
この記事ではお茶を選ぶ魅力と、お茶に使用されている代表的な機能性関与成分について紹介します。
機能性表示食品には企業が情報収集や研究開発を通して見出して機能性を持つ成分が含まれているのが特徴です。機能性表示食品に使用されている機能性関与成分は食品由来のものもありますが、食品以外の植物などから抽出したり、発酵で生産したりしているものも少なくありません。
その成分を添加して製造した食品でも機能性表示食品として販売できるからです。ただ、消費者の目線で考えると、もともと含まれている食品の成分がそのまま機能性関与成分になるのが自然で好ましいでしょう。抵抗感なく受け入れられる点で、自然に含まれている成分を活用するのは魅力があります。
お茶はこの観点からおすすめの機能性表示食品です。お茶には健康に良いとされる成分が多数含まれていることが知られています。静岡県の大学などの研究機関や、お茶のメーカーなどが精力的に研究を進めていて、カテキンやテアニンなどの魅力的な成分が次々に発見されてきました。
機能性表示食品ではこのようなお茶由来の成分に着目しています。もともと含まれているお茶の有用な成分を増やして製品化するというのが一般的なアプローチです。この方法で次々に機能性表示食品が開発されてきています。
中には特定保健用食品として認められているものもありますが、届出のみで認められる機能性表示食品の方が開発しやすいことから注目されているのが現状です。
お茶が機能性表示食品としておすすめなのは続けやすいからです。機能性表示食品には様々なものがありますが、カロリーが高いものだと続けづらいという人もいるでしょう。毎日食べているとカロリーが気になってしまうからです。
また、サプリメントの機能性表示食品もありますが、薬のようで飲むのに抵抗があるという人もいます。しかし、お茶はゼロカロリーで、普段から飲んで水分補給をするのに適している飲料です。もともとお茶を飲んで生活していた人なら特に問題なく生活に取り入れることができます。
今まで水やジュースを飲んでいた人も健康のために切り替えるのはそれほど難しいことではないでしょう。お茶は嗜好品の一種なので水に比べたら高いのは確かです。しかし、機能性表示食品だからと言って決して単価が著しく高いわけではありません。
例えば、500mL入りのペットボトルで150円前後の製品が多いので、機能性表示食品ではないお茶に比べると少し高いという程度です。
自分のための投資と考えれば毎日続けるにも大きな負担ではないでしょう。機能性関与成分も製品によって違うので、自分の目的に合っているものを選ぶのが重要になります。どのような製品が出ているのかを詳しく理解して、自分に合っているお茶があるのかを見極めるのも大切です。
機能性表示食品のお茶として代表的なのが、テアニンと茶カテキンを含んでいる製品です。テアニンと茶カテキンは個々の成分として研究が進められていて、サプリメントなどにもよく配合されてきました。テアニンは甘みがあってお茶の自然で余韻のある甘さを生み出すのに重要な役割を果たしています。
これがお茶の成分として有名な茶カテキンと合わせて作用することにより、認知機能の精度を高める機能性表示食品として認められています。認知機能とは、この文脈では注意力と判断力のことです。世界的に加齢に伴う注意力や判断力の低下が懸念視される時代になっていますが、その対策として飲み続けると良いと考えられています。
このため、テアニンと茶カテキンを使用している機能性表示食品のお茶は年齢が気になり始めた人や、認知機能の低下の懸念がある人におすすめです。
高齢者になって認知機能が低下するのが嫌だと思っている人は若いうちから飲んでおくのも良いアイデアでしょう。
ガレート型カテキンはお茶に含まれているカテキンの一種です。没食子酸と呼ばれる物質と結合してできているタイプのカテキンをガレート型カテキンと呼びます。ガレート型カテキンはそれ以外のカテキンとは違う機能性を示すことが研究により明らかにされてきました。
お茶にもともと含まれている機能性関与成分で、機能性表示食品の場合には含有量が測定されていて高い水準になっています。ガレート型カテキンの機能に関する研究も多数報告されていますが、機能性表示食品で取り上げられているのはBMIが高い人の悩みを解決することです。
太ってしまって脂肪が多いという人が改善を目指す際のサポートとしておすすめのお茶です。ガレート型カテキンには体脂肪の消費を促す作用があることが知られています。毎日飲ガレート型カテキン入りのお茶を飲む習慣を作り、運動をしてエネルギーを消費すれば体脂肪を減らしやすくなるでしょう。
脂肪太りによる肥満は二次的に他の疾患につながるリスクがあることが知られています。病気に悩まされる体質にならないためにも毎日飲む習慣を作ると良いと考えられます。
特定保健用食品のお茶は初期から開発されてきましたが、機能性表示食品のお茶が増え始めたのは最近のことです。機能性関与成分として認められるものが増えてきたため、今後はお茶の機能性表示食品が増えていくと期待できるでしょう。
日本の伝統的な飲料として親しまれてきたお茶だからこそ、老若男女問わずにニーズがあるという魅力もあります。飲料メーカーとしては注目すべき商品なので、研究開発の結果を生かして魅力的な機能を持つ機能性表示食品が開発されていくでしょう。
機能性表示食品のお茶には魅力的な機能を期待できることに加え、続けやすいのでおすすめです。現状では数が限られていますが、日本では多くの人に親しまれている飲料なので今後も開発が進められていくでしょう。
自分に合う機能を持つお茶に出会える可能性も高くなると期待されるため、上手にお茶と付き合っていきましょう。